2020.04.24 14:07【特別企画】リレー小説『読書会』この度、特別企画としてリレー小説を書きました。テーマは『読書会』。7名の参加者でリレーしました。※章の横は担当者の名前です。1(鋤名彦名) 私は今、ある高層マンションの下にいる。送られてきたDMに書かれた住所を入力したグーグルマップは確かにここを指している。あの人はこのマンションの最上階にいるらしい。じっと最上階の方を見上げていると首が疲れてきた。私はまだにわかには信じられずにいる。もう一度DMに書かれた文面を見た。「・・・つきましては我が家で拙著の読書会を開きます。ぜひご参加頂きたい。」 それは一週間前の事だった。「バベル」の名前で読書感想を主に呟いている私のTwitterアカウント宛にDMが届いた。送り主は小説家「犬神和音」からだった。「突然のダイ...
2019.12.30 09:06『モモ』を読んで 執筆者:ちあき今回はミヒャエル・エンデの『モモ』を読んで、私なりに考えたことをまとめました。彩読では過去に『モモ』が課題本だったことがあるようなので、私がまとめたようなことは皆さんにはもう分かりきった事かも知れないのですけれど、最後まで読んで頂けたら幸いです。
2019.04.30 08:20『地球の終電』著者:ちあき死んだ街に、雨が降り続いている。廃墟の駅で男が一人、ベンチに座って遠くを眺めている。電車は13分前に出発してしまった。次に来るのは1週間後で、それが本当に最後の電車になる。というのも、その電車を最後に人類の移住化計画が完了したとみなされるからだ。男は考えた…。これは選択の問題だ。自分が生活していく為に地球を捨て、自然災害がなく、快適な惑星で暮らすか。それとも「母なる地球」に、景観は変わり果ててしまったが、自らの記憶の中に思い出が残っている地球に留まり続けるのか。「生きることと、生きていくことは違うのだ。そうして両者はけっして、相容れないのだ。」男は初めてこのことに気がついた。つい口からでた独り言を、頭の中で繰り返す。実際、あの大災害、ー誰が言い出したの...
2019.02.12 13:09『日の名残り』について 感想 執筆者:ちあき この記事は、カズオ・イシグロ著『日の名残り』の、ネタバレを含みます。 未読の方は、ご注意ください。 本記事は、カズオ・イシグロ『日の名残り』土屋政雄訳 早川書房を読んだ感想です。