2020.02.08 14:04【文芸部創作】F・O・G-Chapter 2 著者:kj※前回の『F・O・G-Chapter 1』はこちらーーーー「よし、今日の割り当てはこれで終わりだ。 今日も一日お疲れ様。」 最後の貨物を受け取り主に運び終わった時、キュクロ復興支援本部から今日の活動の終わりが告げられる。この復興支援現場では大した仕事はしていないサキだったが、本部からの労いの言葉や貨物の受け取り主からの感謝の言葉を聞くと、素直に顔が綻んでしまう。そのまま宿舎に戻ってもいいのだが、夕暮れの街や人々の様子をじっくり眺めるためにも、大きく遠回りして、ゆっくり時間をかけて帰ることにする。サキにとっては、復興業務自体はおまけのようなもので、この遠征中に街やそこに住む人々を観察することのほうが本業に近い。 サキがこの田舎町「キュクロ」に来たのは一ヶ...