2020.01.31 07:18【読書コラム】何者 - 就活という物語の交叉点 執筆者:KJこんにちは!今回も彩ふ読書会(2020年1月東京)で課題本となっていた本について、コラムを書かせていただきます。お題となる作品は朝井リョウの「何者 *1」。いつものように、ネタバレも気にせず書いていきますので、未読の方はご注意願います。
2020.01.29 10:41『同じ夢を見ていた』著者:サクライ目が覚めると、店で見かけて欲しかった緑色のかわいいワンピースに身を包まれて、会社の中にいた。高いから買えないなと諦めていたワンピース。なぜ着ている?しかも会社に。会社にワンピースなんて着ていったことはない。そんな服を着ても笑われるに決まっているから。いつも部屋の中で一人、こっそりと着るだけだ。すぐに夢を見ているのだと気づいた。お気に入りのワンピース。誰も、いない無音な会社。非日常な出来事に、わくわくする、なんだこれ、やりたい放題じゃないか。ひゃっほうー言いながらデスクを滑り台代わりに滑る。さすが夢。気持ちいいくらい滑っていく。課長の机、お局の机、嫌味な同僚の机。日頃の鬱憤を晴らすかのように滑って、滑って、机の上に置いてある物を全て、蹴散らしていく。気が...
2020.01.25 09:41電子書籍の現在地点 執筆者:shikada唐突ですが、読書家のみなさまは、電子書籍を利用されているでしょうか。Wikipediaによれば、電子書籍とは「主にインターネット上で流通する電磁的に記録された読み物の総称」であるとされています。要するに、電子書籍とは紙ではなく、PCやスマホ、タブレットなどの画面上で読むことができる本です。電子書籍サービスの種類は多様ですが、代表的な例としては、Amazonの運営するKindleなどが挙げられます。私は最近、わりかし電子書籍を読むようになりました。スマホひとつで、数十冊の本を持ち運べるのは便利だなぁと思いながら利用しています。いっぽうで、電子書籍の不便なところもたくさんあります。紙の本と比べて、ここは便利、ここは不便、などと、つい比べながら読んでいます。...
2020.01.25 05:05『三景 第二景「流通センター」』著者:へっけ※前回の『三景 第一景「池袋」』はこちら 第二景『流通センター』 東京モノレール。都心の浜松町から羽田空港を結ぶ、モノレール路線。赤と青色でデザインされた車両は、高架化された線路上を、ビルの谷間を縫い、運河を下に眺めながら進んでいく。 僕は、車窓から見える海上の景色を、ぼんやりとした眼で見流していたが、突然車両が強く揺れて転びそうになった。 最初に書いた通り、ビルの谷間を縫うように進む区間があるため、線路にカーブした部分が多く車両の揺れも多いのだ。 控えめなジェットコースターとも言える、ちょっとしたスリルを味わいながらも隣で文庫本を読んでいる、クールな男は表情を変えない。「この揺れの中、よく活字を追うことができるね。見てるこっちが酔いそうだ」「通勤で鍛...
2020.01.25 04:49『三景 第一景「池袋」』著者:へっけ 第一景『池袋』 照明に照らされる、水槽に囚われた無数の海月。ただ水中を浮遊しているだけに見えるが、水槽に顔を近づけてみると、わずかに傘を開閉させて泳いでいるように見える。 このゼラチンの塊は意思を持っているのだろうか?何を目的に過酷な環境の海で生きているのだろう? 僕の頭に浮かんだこの疑問は、自分自身に鋭い痛みを伴って返ってくるものだった。 気分転換のために1時間以上もの時間をかけて池袋まできたのに・・・ままならない現実の生活に落胆を覚えながら、水槽の前を立ち去る。進行方向の順序を示す看板を頼りに早足で館内を進む。 途中、蟹や鯖を横目で見るが特に興味はわかない。食材として広く知られた生物。わざわざ、生きている姿を見る必要はない。食卓でお目にかかりた...